死んだように生きる

「死んだように生きてる」と私は言った

「それどう言う意味」

「うん 雲の上にいるような感じっていうのかな上から見てる感じ 自分を含め周りのことできるだけ全部俯瞰するの 自分の心の動き揺らぎを 怒り悲しみ憎しみを 時々によって湧き上がってくる感情のすべてその度じっと見守るの すると徐々に気持ちが落ち着いてくるのがわかる 次にはその感情を引き起こした相手のことが少し分かってくる 許すというところまでは行かなくてもああそうかそういうことか そういう過去があってそういう家庭環境があっての行動なのかって少し分かったような気がしてくる

また気になってついついその人の動向に目がいってしまうってことあるじゃない そんな時は何が自分はそんなに気になるんだろうって自問自答してみる するとはっと気付かされることがある ああ自分にもそんな面あるなとか その人が鏡になって自分を映し出してくれてる そして目に映るあらゆるものが己を映し出す鏡だと気づく 他人の欠点や弱さに目がいった時 当然自分にもそれ以上に欠点あるわけじゃない 少なくとも己の欠点を自分は誰より一番よく知ってるわけ 他者は誤魔化せても自分は知ってる 己の欠点非情さ醜さを誰よりも するとなんか包み込みたくなるの 相手もそして自分自身をも そう人間って弱い生き者よねお互い辛いねって

過去のことが蘇ってきて怒りが湧くことがある そんなときはその怒りを受け止めてじっと見てあげるの かわいそう辛かったねって まるで他者を抱きしめるように己を抱きしめてあげるの するとなんだか暖かい存在が自分の中から浮かび上がってくる

大人になって母の言動に衝撃を受けたことが度々あった 子どもの時は見たことのない母の正体というか実体に衝撃を受けた期間があったそれも何年にもわたって その母と自分の心の動きを眺めていたとき 母を一人の人間として見ることができるようになって 母の弱さやこれまでの過酷な歩みを思ってしょうがないねって思えた 母の母になったようなそんな目で見てる自分がいた

だけどああいいよいいよって思っちゃいけいときもあると思う 許さないと言うんじゃなくて距離をおかないといけないときもある ”いま”のあなたは受け入れることできない ”いま”のあなたの言動は私には無理 だから今は距離置きますって 

思ったこと感じたことに蓋をすると真の思いに気づくことができない こんなこと思うなんて自分はなんて嫌な奴なんだろうと蓋をしたとするじゃない でもそれは自分をただごまかしてるだけ それではまやかしであって負の感情はそのまま気づかないままそこに居残ってしまう だけど痛みに耐え受け止めると真の感情に気付かされる そうあの人も事情があったのねって受け止めることができるようにいつしかなってる自分がそこにいる 以前のようなお付き合いは今はできないけどあなたはあなたのままどうぞ生きてください

私は私に与えられた命をできるだけ誤魔化さないよう生きていきますと」