ほんとのはなし1

土偶からは彼らの息吹が力強く発せられ
私を掴んで放さなかった
 
縄文の人たちは全人間的に生きていたと
その時知らされた
 
数千年の時を経ても
衰えることのない彼らの息吹
 
土偶にこめられた彼らの
熱い息吹
 
真に生きた者は物にも
その生命を吹き込むことができるのだと知った
 
それはかつて東京で出会った
三内丸山遺跡展でのこと
 
展覧会場に入るなり強烈な息吹に包まれ
圧倒的なパワーに身動きできなくなった
 
それはしかしあくまで親和的かつ
深い親愛の情を含んでいた