2021-12-07 鎮守の森 森へ 木はまねく 森へ 木はまねく さらに深奥(おく)へ 木はまねく 森の真ん中 黄金色(きんいろ)に透きとおって 木はあった 木は語った 木が気であった 太古の昔のことを 人の歓喜(喜び)の源(もと)であった日々を 人の呼吸(いき)の元型(もと)であった日々を 木は深い沈黙に入った 悲哀(かなしみ)のうちに 慟哭(いたみ)とともに 恋慕(こいこがれ)を秘めて わたしは聴いた (人の)不信の起因(おこり)を (人の)叛逆(さからい)の歴史を 7日目の朝 わたしは静かに 木にひれふした