わたしはない

自分を自分の中に探し求めた

くる日もくる日も己の心を

覗き込んで探した

 

あの人は自分がないから

ふわふわ流れやすい人のことを

若い私はそう思った

 

だけど私と言うものはない

在ると思う時はない

だけど無いとき在る

 

ここに至るまでどれほどの時が流れ

また必要だったのだろう

無いから在るというこの神秘