般若

招かれるままに

沼底に降り立った

そのときの私の面

いわゆる般若の面

 

墓の中は一条の光だになく

私は恐ろしくて震え戦いた

それでも招く声を信じて

沼底に降りていった

 

そのとき初めて気づいたのだ

あの鬼の形相のお面がなぜ

般若と名付けられているのか

そう何かに気づかされたのだ

 

己の闇を覗いたことで

大事な何かを私は気づいた

都合の悪いモノに目を瞑ったままでは

本当のことは見えないということ

 

般若=智慧

古の人々の大いなる智慧

喜びに震えた私そのとき

30代後半になっていた