どれくらい前だったでしょうか、東京に住んでいた当時上野の博物館に興福寺から多数の仏像さんたちがやってきました。
それはそれまであまり仏像に縁のなかった私にかなり新鮮な衝撃でした。
というか感動のあまり身震いさえしたのでした。
特にアマノジャクをその足に踏みしだいた仏像は私にとって特記すべきものでした。
己の中に住むアマノジャクを踏みしだかないことには真の自分にはなれないという先人の英知が仏像さんからビンビン伝わってきたからです。
広目天そして多聞天も忘れられません。広くその目にそして多くその耳に受けとめよとの先人の大いなる智慧をそこに見たのです。